剥がれ 膨れ 編
●外壁塗装工事の問題やトラブル
単純な塗膜の剥がれ
塗り替え後の剥がれ
外壁塗装工事時の下塗り不足の問題があります。
元々の外壁に下塗りが吸い込みすぎて上塗りが充分密着していない。
⭐︎最善策は下塗りを1回たっぷり塗るのではなくて、
2回に分けて吸い込みが無くなるまで塗装する事が大切です。
そもそも下塗りを施工していない場合はあっという間に上塗りは剥がれてしまいます。
⭐︎しっかりと施工する前にしっかり責任感のある業者選びも重要になります。
下地による塗膜の膨れ(元の塗料による影響)
元々の塗膜からの剥がれも少なくありません。
例えばダイワハウスが施工したDLコートというラッカー系の塗料の上から気付かずに塗装してしまうと、たとえ下塗りをしっかり塗っても「熱膨張」という原理であっという間に西面などは浮いたり剥がれたりする事があります。
⭐︎最善策はこの塗料は全て剥離するしか有りません、
大抵はサイディングの上に施工されていますが、薄塗り仕上げからスタッコ仕上げまで数種類ありますので、塗り替え前に図面の確認も必要です。
写真のような感じで膨らむ
塗膜の剥がれ
シリコンの上からの塗装は塗料を弾くような形で剥がれて来ます。
元々シリコンは水を嫌う性質があり、塗った瞬間に弾いてほとんど密着しません。
※変性シリコンとは別
⭐︎最善策はシリコンコーキングなどが付いている場合はワイヤーブラシなどでしっかり撤去して専用のプライマーなどで念の為塗装した後に塗装する事が良いでしょう。
ホームセンターなどで安価に売られているシリコンコーキングを無闇に壁などに重点するのはやめましょう。
その他、家電量販店などでエアコン交換工事などを施工したりする時に配管の根本などにシリコンを塗られてしまう場合も有りますので、工事担当者にシリコンの使用を控える様に申して下さい。
湿気による塗膜の剥がれ(新築時の不具合)や凍害
湿気による浮きと剥がれは突然気付かない内に起こりえます。
外壁にぷくぷくと浮きが出てくるケースでコレは外壁内部の湿気が出れなくて塗装を押し出すケースで結露や雨漏りなどの原因がありますが、外壁内部は通気できる様になっているのですが、その通気が妨げられている場合にも起こる場合があります。
その膨らみに耐えられなくなると塗膜が割れて来ますが割れた時点でそこから通気するので不思議とそこからあまりひどくなる事はありません。
あとは在来の風呂の場合はタイルや浴槽と壁の取り合いから水が漏れている場合が多く、建物的にはあまり問題なくても、その水によって外壁の塗膜が浮いてくる事は多々あります。
⭐︎最善策はまずは原因が何かを考える必要があり、壁ごと(サイディングやモルタル)割れたり浮いてる場合は壁の中の湿気が溜まる構造が原因、構造的に湿気が溜まる様になっている場合は外壁に通気用のダクトを取り付けるか、壁の張り替えなどが必要。
湿気の場合はいくら塗装をしっかり塗っても下地毎浮いてくるので、外壁の内部の湿気を抜く様にしないと解決しません。
ラムダサイディングの上に塗装すると剥がれる可能性が高く、
下塗りをしっかりしても壁の内部から剥がれます。
素材上、ラムダ内部に中空という隙間、空間があり、内部に閉じこまった湿気、水分が外壁表面から出ようとする現象で、表面に塗った塗料を押し出して剥がれさせます。
ラムダサイディングは新築時から水を吸っては乾燥させる様に湿気を弾くよりも吸い込んでは吐き出す素材で、塗り替え時にもたくさんの湿気を含んでいる為にこの様な症状になります。
寒冷地では中の湿気が凍って膨張して弾く様に爆裂割れてしまいます。
⭐︎最善策は基本的に塗装する必要がないので、ひどい場合は他の金属サイディングや窯業系サイディングへの張り替えをお勧めします。
やむを得ない場合は壁に一定間隔に通気用ダクトなどを取り付けて剥離のリスクを少しでも下げて塗装しますが、塗膜は薄めに色を吸い込ませるように施工します。
しかし塗膜の保証は無いと思って下さい。
屋根の下塗りなどの影響による塗膜の剥がれ
下塗りと上塗りの剥がれてがまれに起こります。
コレは相関剥離と言って、(そうかんはくり)
特に下塗りにエポキシ樹脂塗料を塗った場合に起こる可能性があります。
コレはエポキシ樹脂の特性で変性エポキシ樹脂の下塗りを塗った後に雨などの理由で上塗りまでの日にちが
4、5日〜7日以上経った場合に起こります。(下塗り塗料によって違う)
エポキシ樹脂は紫外線に当たりすぎると硬化しすぎて固くなり更に密着力が減少します。
この下塗りの上に気付かず塗装してしまうと相関剥離が起こる場合があります。
⭐︎最善策は日にちが空いてしまった場合は塗装面をペーパーがけする方法や、もう一度下塗りを塗る事が必要です。
天候などを見て施工する事や、重ね塗り可能時間をしっかり把握する事です。
屋根の塗膜の剥がれ(下地処理不足)
屋根の剥がれ
屋根の剥がれの要因は色々ありますが、まずはカラーベスト(コロニアル/スレート瓦)の場合を説明します。
カラーベストはただ塗膜をつけて塗るだけでは継ぎ目に塗料が入ってしまい、屋根の通気、呼吸が出来なくなります。
そうなると屋根材(カラーベスト)と野地板(ルーフィング)との間に湿気が溜まり蒸れてしまいます。
そうなると太陽光で熱せられて温まって空気、いわゆる湿気が屋根の瓦を貫いて出ようとします。
その時にせっかく塗装した屋根の塗膜を剥がしてしまうのです。
⭐︎最善策はカラーベストの塗装の際は必ず「縁切り」を行う事が大事で、屋根と屋根の間に詰まった塗料をカッターで切るか、タスペーサーなどの縁切り部材を使用して通気の助けをしないと行けません。
地味な作業になりますが、とても大切な作業になります。
屋根の塗膜の剥がれ2(塗料の選択ミス)
モニエル、スラリー、乾式コンクリートやセメント瓦の塗装の剥がれ。
中には塗料を選んで塗装しないと行けない瓦が有ります。
屋根だからと言って屋根用の塗料を塗って大丈夫では無い瓦が有ります。
モニエル瓦や乾式コンクリート瓦などの瓦は「専用の下塗り」ときちんとした洗浄と下地処理が必要です。
屋根用と記載されていてもその下塗りでは全く密着しない特徴の瓦なのです。
⭐︎最善策はきちんとした下地処理と専用の下塗りが必要です。
しっかりとした専門の施工店で調査してもらいましょう。
通常の屋根塗料と違いそれほど種類は多く有りません。
代表の専用塗料メーカーは オリエンタル塗料 マイティーシリコンシリーズ
問題の屋根(瓦の素材の欠陥)
屋根の中には「ノンアスベスト」の屋根材が有り、
代表されるのは
「レサス」「パミール」「コロニアルNEO」「エコシンプル」
などがありますが、気付かず塗ってしまうと数年後に剥離(分離)してしまう事が有ります。
※中には問題無い状態もあるのでしっかりと見てもらう事が大切
⭐︎最善策は割れや分離が酷い場合は塗装ではなくカバー工法や葺き替え工事をする事です。
葺き替え工事はゴミ代金もかかるので、カバー工法の方がリーズナブルで多機能になります。
古い瓦の上からカバーする事で断熱効果も上がります。
目地の割れ
コーキングの上のシワや割れ
特にサイディングの外壁の場合は目地にコーキングが施工されていますが、このコーキングの上に塗り替え時に塗装する事になるのですが、コーキングは壁の動きを吸収するクッション(エキスパンション)となるのでどうしても上下に動くものです。
コーキングの厚みは10mm以上あっても塗膜は150〜200ミクロンですので0.15〜0.2ミリほどになります。
ですのでどうしてもコーキングが動く分塗料にシワやひび割れなどが入ってしまうのです。
ただコーキングが切れなければ問題はありません。
⭐︎最善策はコーキングの上に塗料を塗らない方法、後打ちでコーキング工事をする方法もありますがその場合は直接紫外線が当たり早期の劣化に繋がりますので、たとえシワが入ってもコーキングを保護するために上から塗装する方法が良いでしょう。
何よりも優先すべきはコーキングの劣化からによる漏水(雨漏り)ですので少々のシワやひび割れは我慢すべきかもしれません。
※クリア塗装の場合も同じ
防水の割れ
防水工事後のトップコートの表面の細い割れ
ベランダの床のグレーの部分はトップコートを塗装しており、その下の防水層を保護しております。
紫外線や摩擦(歩く際擦れる摩擦)から守るのですが、FRPの防水のトップコートは乾燥または硬化する際に熱を出します。
その際に塗膜が縮むのでヒビの様なモノが入りますが、これはなんら問題なく、下まで貫通しているひび割れではありません。
新築時や塗りたての時は綺麗で身立ちませんが、時間が経つと埃などの汚れがその中に入り目立ってくるのでひび割れと勘違いしてしまいます。
⭐︎最善策はこまめに綺麗にベランダを掃除する事です。
まずこの細かい割れは気にする必要はありません。
※ただし茶色、ベージュの下地が見えている場合は問題有りです。
防水のトップコート表面の泥割れ
コレはベランダなどに雨水が溜まったりすると出る症状です。
水が溜まると軟化して水のレンズ効果で一気に劣化してしまうのです。
ベランダ防水はプールと違い水が溜まる用に出来ておりませんのでこの症状がある場合は水の流れが悪くて水が溜まっているのだと思って下さい。
⭐︎最善策は水の流れる穴(ドレン)にゴミが詰まってないか確認して掃除する。
エアコンの水抜きのホースなどがベランダを横切っている場合はその周辺に水が溜まるのでホースなどを長くしない事。
水が溜まった所はホウキなどで水を流す。
防水の膨れ
防水工事後の膨れが出る事が有ります。
特に塗膜防水のウレタン塗膜防水でベランダ直に施工する密着工法などで症状が出ます。
コレは防水する前のベランダに水が染みてその染みた水分を防水工事で閉じ込める事で膨れてしまいます。
特に昼間の天気の良い日にベランダの床が温まって湿気が上に上がり防水の裏から持ち上げる様な形で膨らみます。
夕方や夜になると少しマシになっていますが、これを繰り返す事でウレタンゴムが伸びてしまうのです。
※ただし、徐々に湿気が抜けて改善する場合もあります(笠木や壁から湿気が抜ける構造の場合)
⭐︎最善策は防水工事の際に「通気工法」で施工する事で防水下の湿気を外に逃す事ができます。
通気シートと脱気筒をつける事で中に閉じこまった湿気を外に排出させて膨らみを防止出来ます。
現場調査の際にベランダに水が染みていないかをしっかりとチェックしてもらう事が大切です。
※ウレタン防水 FRP防水 塩ビシート防水の全てに通気工法が有ります。
その他の問題
天井裏 軒天井に着く虫や蜘蛛の巣
天井、上げ裏には雨が当たらないので虫が卵を産んだり、蜘蛛がクモの巣を張ったりします。
これは自然の事なので防ぎにくい事です
⭐︎最善策は塗装後にムシヨケクリーンなどのコーティングを塗る事で蜘蛛の巣などを軽減する事が可能です。
その他は門灯などの灯りにも虫が寄って来るのでこまめにホウキなどで綺麗にするのも効果的かもしれません。
雨漏り 編
●本当のプロでないと気づかない雨漏りとその影響
気づかないでずっと水が侵入している問題
トップライトからの雨漏り
屋根に天窓(トップライト)が設置されている家もあるかと思いますが、屋根や外壁がしっかりとリフォーム、
防水や塗装が出来ていても、このトップライトから雨漏りするケースがあります。
トップライト本体からの雨漏りが10%程で他はほぼガラスのパッキンの劣化からガラスの隙間からの雨漏りが多いです。
トップライト周辺の木枠やクロスにシミが無いかを確認してください。
最善策は外壁塗装の際には足場がありますのでその工事もついでのガラス周りのシール(コーキング)を施工して貰って下さい。
成田塗装の場合はついでに施工しますので心配ありません。
気づかないで進行する雨漏り
雨漏りの中には住んでいるお客様が気付かないうちに進行しているパターンもありあます。
症状は急激のスピードを上げて現れるので、そこで初めて何かおかしい?
となるのです。
今回は部屋の中に水が入らない雨漏り
を説明しますが、壁と壁の間に水が入る事で外壁のサイディングがふやけて捲れてきます。
この原因は新築の時から有る欠陥で、
「考えてみればそうなる。」
「言われてみてばその通りだ」
となる迂闊な雨漏りです。
写真では縦張りサイディングの家で、通常縦張りの場合は縦目地は通常「実」さねで結合されてあり、あいじゃくりの様に噛み合って水の侵入を防いでいますので外壁の筋「目地」は表しで見えていても問題ありません。
※横目地はコーキングが必須で施工してありますの。
しかしながらその縦目地も上に幕板、(帯や飾り縁)などを取り付けていますので、サイディングの目地がトンネルとなり、水が帯の下を通る事になります。
そうなると帯(サイディング素材)の場合は裏面は無塗装になるのでどんどん水を吸ってしまい、時期にふやけて表面に剥がれとして見えて現れるのです。
なぜ?
となり、仕組みが分からない会社がどんな修理しても直らないと成田塗装に相談をいただく事になりましたが、そのお客様の家を見にいくと、新築時から問題があった事がわかったのです。
ですのでその住宅街の同じ工務店が建てた家はほぼ全ての家で同じ症状が出ていて、せっかく塗り替えを施工した家も膨れて剥がれている状態でした。
お客様が知らないうちに起こっている雨漏り(水漏れ)は外壁材をじわじわと侵食して最悪サイディングなどの外壁を捲って1から施工しないと行けない事もあり得るのです。
最善策はこの様なケースの場合は水の通り道を無くす事になります。
それがシンプルで直ぐに解決します。
ただ今回のこのケースに気づく業者さんは少ないので、写真を参考にして塗り替えの際は業者さんに相談して下さい。
↓図面でわかりやすく解説するとこんな感じ(断面図)↓
寝屋川市本店
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